アルペン(アルペンスキー)

   
アルペン

回転(SL)

競技説明&ルール

「Slalom(スラローム)」または「SL」と略して呼ばれている。まるでポールの林のなかを滑るようなイメージで、細かいリズムのターンテクニックが競われる技術系の種目。
左右にショートターンを刻むオープンな旗門(ポール)設定をベースに、旗門が縦一列に配置された「ストレート」や「ヘアピンカーブ」など、さまざまなリズム変化がコース上に仕組まれている。
選手に求められるのは、俊敏なスキー操作とすばやいリカバリー能力。また、回転競技ではよりタイトな「ライン取り」をねらうことが速いタイムにつながるため、選手は旗門のギリギリを通り、旗門をターンの外側の手でなぎ倒してく。

見どころ&採点法

回転と大回転競技の技術系と呼ばれる2種目は、2本の滑走タイムの合計で順位が決まります。2本目のスタート順は、1本目30位の選手からとなり、このスタート方法を「フリップ30」と呼びます。また、1本目と2本目はコースセット(旗門)が変えられるのが一般的です。
1旗門ごとにインサイドポールとアウトサイドポールが1本ずつ配置され、選手はその間を通過しなければいけません。ターンの外側の手でポールをなぎ倒していくスラローム独特の「逆手テクニック」は迫力満点!
また、一瞬のミスでコースアウトしてしまう確率も高く、1本目の順位から2本目で快走を見せて大きく順位がジャンプアップしたり、逆に1本目でトップだった選手が2本目で大きなミスを冒してしまうこともあり、最後まで何が起きるかわからないスリリングな展開も見どころです。

コース説明

コース説明

コースの標高差(スタートとゴール位置の高さの差)は、およそ180~220m程度となります。他のアルペン競技とは異なり、旗門にはフラッグを使用せず、赤と青のポールが交互に設置されます。
同じ色のポールを平行に並べ、その間を選手が滑り抜けるオープンゲート、また、ポールを縦にズラして配置するクローズゲートなど、ポール設置方法や位置によって多彩なコースがセットされます。

道具説明

道具説明

回転競技では、素早いターンテクニックが必要なため、使用するスキー板にはシビアな操作性が求められます。そのため回転競技用のスキー板は短く、ラディウス(スキー板の回転弧の大きさ)も小さいのが特徴です。
また、選手の安全性を確保する目的で男子は165cm、女子は155cm以上のスキー板の使用が義務づけられています。
その他にポールを倒す際に手や身体を衝撃から守るプロテクターも重要なアイテムで、ポールのグリップ部分に装着する手を覆うプロテクターや、スネにもプロテクターを装着します。


大回転(GS)

競技説明&ルール

英字では「Giant Slalom(ジャイアント・スラローム)」、または「GS(ジー・エス)」と呼ばれている。旗門(ポール)設定は、一般的な大きめのロングターンがベースとなる。スピードに対する強さ、卓越したターン技術やリカバリー能力、そして緻密なコース戦略やゲームマネージメントなど、アルペンスキーで求められる要素が凝縮されている競技で、アルペン競技のなかでもっとも勝つのが難しいと言われています。

コース上に設置された「インサイドポール」と「アウトサイドポール」の間を通過しながら両スキーがかならずインサイドポールの外側を通過しなければ失格(DQ)となります。

見どころ&採点法

旗門設定(セット)の異なるコースを2本滑り、その合計タイムで順位が決まります。回転競技と同様に2本目のスタート順は、1本目30位の選手が2本目の1番目に滑る「フリップ30」を採用します。
平均時速はおよそ40~60km。滑降競技に比べるとスピードは劣りますが、選手が雪面を切るようにズレ幅の少ないカービングターンで時速50km近いスピードで旗門にアタックしていくシーンが見どころです。
最短の「ライン取り」をいかにスピードを落とさずつなげていくことができるかが勝敗のポイントとなります。

コース説明

コース説明

コースの標高差(スタートとゴール位置の高さの差)が、男子で300~450m、女子で300~400m程度となります。選手はおよそ1分10秒から1分30秒くらいの時間でコースを滑りきります。
コース上には50~60本の旗門が立てられ、その赤、青の旗門を交互に通過していきます。

道具説明

道具説明

ハイスピードでの“安定性”とターンがしやすい“操作性”という、相反する両方の要素が必要で、アルペンスキー競技4種目のなかで、もっとも進化が著しいのが大回転用のスキー板(GSスキー)です。
スキーのラディウス(スキー板の回転弧の大きさ)は、男子35m以上、女子は30m以上というルール上の規制があります。


スーパー大回転(スーパーG)

競技説明&ルール

正式名称は「Super Giant Slalom(スーパー・ジャイアント・スラローム)」。「Super-G(スーパー・ジー)」または「SG」と表記される場合もある。
滑降(DH)と同じ高速系種目のひとつで、スピードへの強さが必要な滑降競技と、ターン技術が要求される大回転競技(GS)の両方の要素が求められるタフな種目。
旗門数が多いためターン中にレーサーにかかるG(遠心力)は滑降競技以上と言われている。

見どころ&採点法

赤色と青色の旗門を交互に通過(外側)し、ゴールしたタイムで順位が競われます。滑降競技のような本番前にコースを試走する「公式トレーニング」は行なわれず、競技はレース当日1本のみの一発勝負となります。
滑降競技を得意とする「ダウンヒラー」と、大回転を得意とする技術系の選手もエントリーする競技なので、旗門の設定によってはスピード重視のコースにも、よりターン技術が要求されるテクニカルなコースにもなるのが特徴です。
最大の見所は高速ターンをする選手の技術です。時速50kmを越えるハイスピードでターンしていく様子は迫力満点! 選手のパワフルな滑りに注目です。
滑降競技とおなじく「経験」も大切ですが、パワー”や“勢い”も必要で、ベテランと若手の激突も見所のひとつとなります。

コース説明

コース説明

コースの標高差(スタートとゴール位置の高さの差)が、男子で400~650m、女子で400~600m程度となります。一般的には15~30mの間隔で旗門が設置され、その旗門の間を通り抜けていきます。選手がコースを滑りきる時間は1分30~2分程度となります。

道具説明

道具説明

スーパーGで使用されるスキー板は、ルール上、サイズが男子210cm以上、女子205cm以上と規定されているほか、ヘルメットの着用が義務づけられています。
さらに身体にフィットするレーシングスーツや、体勢を低くしたクローチング姿勢を組んだときに身体に密着するようにポール部分が曲がった形状のストック、背中のプロテクター類などは滑降競技とほぼ同じです。


滑降(DH)

競技説明&ルール

アルペンスキー競技のなかでもっともコースが長く、時速120kmを越えることもあるスリル満点のスピード種目。山を駆け下りていくようなイメージから、英語では「DOWNHILL(ダウンヒル)/DH」と呼ばれている。
斜面を真っ直ぐ滑り降りたり、20~30mを越える大ジャンプが見られるセクションなどもある。

見どころ&採点法

コースのライン取りをまちがうと大ケガにつながる危険性があるため、基本的に本番のレース前にコースを試走する3本の「公式トレーニング」が行なわれます。その後、本番のレースを1回のみ行い、各旗門をしっかりと通過したうえでもっとも早くゴールした選手が勝者となります。
滑降の最大の魅力は、何といっても時速100kmを越えるスピードや大迫力のジャンプセクションですが、滑降を制するためには、技術と体力だけではなく、コースを攻略する緻密な戦術が求められます。そこで注目したいのが、選手がねらう「ライン取り」です。
アルペンスキー競技では、旗門と旗門を直線的に結んだ最短距離を滑っても、結果的には速くゴールすることはできません。
コース状況や2~3つ先の旗門の位置などを総合して判断し、いかにスムーズにターンをし、スピードを最後まで落とさない「ライン取り」ができるかが勝敗の分かれ目となります。

コース説明

コース説明

コースの標高差(スタートとゴール位置の高さの差)が、男子で800~1,100m、女子で450~800m程度となります。スキーアルペン競技の中でもっともコースが長いのが特徴です。選手が通過する旗門の数が少なく、滑走速度は平均で時速100km/h以上となります。

道具説明

道具説明

滑降で使用するスキーはアルペンスキー競技のなかでもっとも長い板となります。そのサイズは男子で218cm、女子で210cm以上とルールで定められています。 また、身体にぴたっとフィットする空気抵抗を抑えるレーシングスーツ(ワンピース)の着用や、転倒時の安全性を守る背中のプロテクターやヘルメットの着用が義務づけられています。


スーパー複合(スーパーコンバインド)

競技説明&ルール

アルペン種目の滑降(DH)と回転(SL)の2つを組み合わせた競技で、滑降、スーパーG、大回転、回転に続く第5の種目となります。
2日間かけて競技が行なわれる複合種目を「Combined(コンバインド)」または「CB」と表記するのに対し、1日で行なう複合種目は「Super Combined(スーパー・コンバインド)」、「SC」と表記されます。
また、複合で行なわれる滑降や回転競技と区別するために、単独種目である滑降と回転をそれぞれ「スペシャル・ダウンヒル」「スペシャル・スラローム」と呼ぶこともあります。

見どころ&採点法

最初に滑降、続いて回転を滑り、その合計タイムで順位が決定されます。それぞれの種目の競技ルールは、基本的に各単独種目として開催される競技と一緒です。
回転競技のスタート順は、滑降競技で30番目のタイムだった選手が1番スタートとなり、その後、滑降29位が回転2番スタートと続き、滑降の1位が回転では30番目にスタートします。
高速系の滑降競技と技術系の回転競技という、両極端の種目を行なわなければならないため、選手の総合力が試されるのがスーパー複合の特徴です。
滑降が得意な選手、回転が得意な選手、それぞれの個性が激突するというゲーム性も複合競技ならではのおもしろさです。回転が得意な選手は滑降で大きくリードされても、回転で大逆転する可能性があるため、各選手のプロフィールなどを知っておくと、より複合競技を楽しむことができます。

コース説明(滑降)

コース説明

コースの標高差(スタートとゴール位置の高さの差)が、男子で800~1,100m、女子で450~800m程度となります。スキーアルペン競技の中でもっともコースが長いのが特徴です。選手が通過する旗門の数が少なく、滑走速度は平均で時速100km/h以上となります。

コース説明(回転)

コース説明

コースの標高差(スタートとゴール位置の高さの差)は、およそ180~220m程度となります。他のアルペン競技とは異なり、旗門にはフラッグを使用せず、赤と青のポールが交互に設置されます。
同じ色のポールを平行に並べ、その間を選手が滑り抜けるオープンゲート、また、ポールを縦にズラして配置するクローズゲートなど、ポール設置方法や位置によって多彩なコースがセットされます。

道具説明

道具説明

滑降で使用するスキーはアルペンスキー競技のなかでもっとも長い板となります。そのサイズは男子で218cm、女子で210cm以上とルールで定められています。 また、身体にぴたっとフィットする空気抵抗を抑えるレーシングスーツ(ワンピース)の着用や、転倒時の安全性を守る背中のプロテクターやヘルメットの着用が義務づけられています。

用語集

アルペンスキー競技の全4種目に出場する選手を「オールラウンダー」と呼ぶ。対照的に1種目または高速系か技術系のどちらか2種目に出場種目を絞って活躍する選手を「スペシャリスト」と呼ぶ。
世界各国をめぐりながら熱闘が繰り広げられる世界最高峰のシリーズ戦。アルペンスキーは毎年10月下旬にオーストリアのゼルデンにて開幕。その後、3月まで欧米を中心に世界各国をめぐる。毎年開催されるワールドカップとは別に、世界選手権は2年に1回開催される。
毎年開催されるワールドカップには、大きくふたつのランキングがある。ひとつは、そのシーズンのレースで獲得した合計ポイントの「ワールドカップ・ポイント・ランキング」。もうひとつは、各レースのスタート順を決定する「ワールドカップ・スターティング・リスト(WCSL)」だ。このWCSLは、ワールドカップのほかに世界選手権も含めたそのシーズンと前年の成績が考慮されて算出される。出場選手上位15人を「第1シード」と呼ぶ。
大会バーンは、多くの選手が滑れば滑るほど荒れるため、早いスタート順が有利。なかでもトップレーサーの証とも言える第1シードには、優先的に早いスタート順が与えられ、スタート順は「ドロー(抽選)」で決められる。
 ■大回転、回転の場合
WCSL上位7人と8~15位の2グループに分かれ抽選。それぞれのグループのなかでスタート順が決定される。具体的にはまず始めにスタート順を決める選手を選ぶ抽選が行なわれ、その選ばれた選手が自らクジを引いてレースのスタート順が決定する。
 ■滑降、スーパーGの場合
スキー板の滑走性が重要視される高速系種目のドローは、大回転や回転と異なり、第1シードの選手は1回目の抽選で選ばれた選手が、順番に1番から30番までのスタート順のなかで選ぶことができる。たとえば、当日の予報が降雪の場合、ある程度選手が滑ることで表面の軟らかい雪が取り除かれ、後続の選手のほうが滑りやすくなるケースがあるからだ。
速さを競うアルペンスキー競技では、スキー板のズレはスピードをロスする抵抗が大きくなるため、できるだけズレの少ない、切れのあるターンが理想とされている。そうしたズレの少ないターンを「カービングターン」と呼ぶ。選手はスキー板を巧みに操り“ズレ”と“切れ”を使い分けながら滑っている。
「サイドカーブ」とは、スキー板の側面の緩やかなカーブ形状のこと。「ラディウス」はこの「サイドカーブ」が描く回転弧の大きさを意味する。「ラディウス」が小さければ小さいほど、スキー板はズレの少ない小さなターンを得意とするが、国際スキー連盟(FIS)では、選手の安全性を確保するために、各種目で使用されるスキー板のサイズと「ラディウス」を規制している。
アルペンスキーは、旗門で規制されたコースを滑り、スタートからゴールまでのタイムを争う競技。基本的に1旗門につき2本もしくは2セットのポールが立てられ、その間を選手は通過しなければならない。内側の旗門を「インサイドポール」、外側の旗門を「アウトサイドポール」と呼ぶ。滑降、スーパーGの高速系2種目および大回転では、2本のポールをフラッグで結んだものをそれぞれインサイド・アウトサイドポールとして使用。回転では、インサイド・アウトサイドポールともフラッグは使用されず1本ずつ使用される。
スキーは鋭角に方向転換することはできないため、直線ではなく弧をつないでいくことで斜面を滑り降りていく。アルペンスキー競技では、その弧をなるべくコンパクトにまとめながら、スピードを最大限に落とさずつなげていくことがポイント。旗門と旗門を直線的に結んだ最短距離をねらうのが速いように思われるが、コース状況や旗門の設定によって旗門の近くを通ることが返ってスピードロスを招くこともある。流れるようなスムーズな「ライン取り」が重要とされる。「ライン取り」に注目するとより観戦が楽しめる。
スタートからゴールまでの旗門の配置のこと。旗門数や各旗門間の距離など、ポールセットは種目ごとにルールがあり、そのルールに基づいてポールセットを行なう人を「セッター」と呼ぶ。旗門の立て方はシンプルに左右に配置する「オープンゲート」のほか、インサイドとアウトサイドポールを斜面に対して縦方向にセットし、ターンをせずにそのまま通過させる「アンダーゲート(スルーゲート)」、また旗門を縦一列に2旗門以上並べる「ストレート」や、コースに沿って大きな方向転換が要求されるときに「オープンゲート」と「アンダーゲート」を組み合わせた「ヘアピンゲート」などいくつかのパターンがある。
アルペンスキー競技では、レース前にコースに立てられたポールセットを「下見」する時間が設けられている。ここで各選手とコーチはポールセットをチェックし、斜面状況を確認しながらどのライン取りを通れば速く滑ることができるのか、ミスのしやすい箇所などを確認しコース戦略を組み立てていく。選手は、スタートからゴールまでのポールセットを記憶し、ライン取りをイメージする。なお、インスペクションでは原則的にターン禁止となっており、横滑りでコースを滑り降りていくことがルール上、決められている。